2005.01.26
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MRM [ MOTOMACHI RADIO MAIL ]                                Vol.001
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SUMMARY
- 不定期連載「それがどうした」 [1] 世界最大のカルデラはどれだ
  - 元町二十四軒    :検索家

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不定期連載「それがどうした」
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[1] 世界最大のカルデラはどれだ
                                                  元町二十四軒:検索家
[長い前置き]
  長くなるので経緯は省略しますが、ある日「区ってなんだか面白いな」と思っ
たことがきっかけで、区マニアにでもなってみようかという馬鹿な考えを思い
つきました。でも、もしかしたら全国には既に区についていろいろと調べてい
る同好の士がいるかもしれないと「区マニア」で検索してみたところ幸か不幸
かそれらしき人は見つからなかったのですが、代わりに「ンゴロンゴロ特別保
護区マニアラレイク国立公園」という文章がヒットしました。私はンで始まる
名前に目がないので(例:ンジャメナ、ンデゲオチェロ)区のことなど忘れて、
ンゴロンゴロについて調べてみることにしました。

  いろいろなサイトを調べてみたところ、ンゴロンゴロというのは、どうやら
次のような場所のようです。
・タンザニアにある。
・世界遺産に登録されている自然保護区である。
・象、キリン、シマウマなど野生動物がたくさんいる。
・ンゴロンゴロ火口は世界最大級のカルデラである。

  ここで、誰かが私の頭の中で待ったをかけました。

「星君!世界最大のカルデラは阿蘇ですたい!!」

  そう、左門豊作さんです。そういえば私もそんな話を聞いたことがあります
よ。勝手なイメージで申し訳ないのですが、阿蘇を否定するようなことを書く
と熊本の人は怒り出すんじゃないかという気がして、私は妄想の中の左門豊作
のご機嫌を伺いましたが、左門氏の怒りは収まりそうにありません。これが肥
後もっこすって言うやつかもしれません。そこで、区のこともンゴロンゴロの
ことも忘れて、世界最大のカルデラは果たしてどこなのかを調べてみることに
しました。

  そろそろ飽きた頃じゃないかと思いますが、ここでやっと前置き終了です。

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[対決、阿蘇 vs. ンゴロンゴロ]
  まずは、阿蘇とンゴロンゴロを比較するべく、ネットで両者に関する記述を
拾ってみることにしました。
・世界最大のカルデラ火山の「阿蘇」。
・大カルデラ・阿蘇は(中略)カルデラと言っても、その大きさは想像を絶す
  るもの。東西18キロ、南北25キロ、周囲90キロもある世界最大級のカ
  ルデラであり、多くの観光客が国内外から訪れているようです。
・ンゴロンゴロクレーターは、溶岩を流していないカルデラとしては、世界で
  一番大きい。
・ンゴロンゴロは山肌にぽっかり開いたカルデラです。なんでも周囲が完全に
  閉じたものとしては世界最大だそうです。
・ンゴロンゴロクレーターは、南北に16km東西に19km、縁から底までの高低差
  は600m、完全なカルデラとしては世界最大、クレーターのサイズでは世界第
  2位、世界遺産である。

どうやら、単純に両者の大きさを比較する限りにおいては、
  阿蘇(25km x 18km) > ンゴロンゴロ(16km x 19km)
であることは間違いなさそうです。ただ、「外周(外輪山)が完全に閉じてる
カルデラ」という制限を付けると阿蘇は該当しなくなるので、ンゴロンゴロが
最大であるということのようです。これで、一件落着。熊本の人も誇りを傷つ
けられることなく「ンゴロンゴロ君も、見事な大きさと形ですたい」と余裕を
見せることができるでしょう。

[新たな強敵]
  と思っていたら、それとは別に「世界最大のカルデラはインドネシア・スマ
トラ島のトバ(100km x 30km)である」という記述が見つかりました。阿蘇、
ンゴロンゴロのどちらでもなく、こんな地味な名前のカルデラが世界最大とは
どういうことでしょう?もちろん、トバについても調べてみました。

・日本最大のカルデラといえば、多くの人が阿蘇山カルデラ(東西25km 南北18
  km)を思い浮かべると思いますが、実は屈斜路カルデラが東西26km南北22km
  で日本最大であり、インドネシアのトバ湖カルデラに次いで世界第二位の規
  模を誇る巨大なものです。
・例えば、インドネシア、スマトラ島にあるトバ湖は100km×60kmの広さがあ
  りますが、これは、7万4千年前に噴火したトバ火山のカルデラです。
・トバ湖 : Latin Danau Toba; Lake Toba : (中略)国/地域 インドネシア 
  : 州/地方 スマトゥラ・ウタラ州 : 標高 1947 m (タンドゥクブヌア山) : 
  カルデラ径 100km x 4 km

  どうやらトバ湖はかなり広いカルデラのようです。それはそれとして、国内
でも阿蘇の地位を屈斜路湖が狙っていた事にも驚きました。広大なアフリカに
あるカルデラが相手なら「世界は広かとです」と諦めが付いたかもかもしれま
せんが、国内の北の外れの方からケチをつけられたとあっては熊本の人たちも
怒り出すんじゃないか、芥子蓮根で殴られるんじゃないかと、道民としては気
が気ではありません。「カルデラなんてどうでも良いから、世界一の座は譲っ
ていい気にさせてあげようよ」と思ってしまいました。今、屈斜路湖の人より
失礼なことを言ったような気がします。とにかく、カルデラとしての比較は後
で考えるとして、単純に屈斜路湖と阿蘇を比較すると、屈斜路湖の方が大きい
ことは事実のようです。

  話をトバ湖に戻しましょう。阿蘇と屈斜路湖の、ちっぽけな争いなんかどう
でも良くなるような、うすらばかでかい大きさを誇るのがトバ湖です。資料に
よって大きさに差がありますが、いずれにせよ阿蘇、屈斜路湖、ンゴロンゴロ
がまとめて入りそうな、100km x 30〜60kmのビッグサイズです。面積が琵琶湖
の約2倍(琵琶湖:674平方km、トバ湖:1120平方km)あると言えば、いかに
広いかお解りいただけるでしょうか?私は解りません。

  ひとまずカルデラであることを一度忘れて、大きさを比較すると次の順番に
なります。

  トバ湖 > 屈斜路湖 > 阿蘇 > ンゴロンゴロ

  阿蘇が世界最大であると言うからには、郷土愛以上の理由がどこかにあるは
ずです。お気づきのこととは思いますが、トバ湖と屈斜路湖はいずれも湖です。
カルデラ湖というやつですね。もしかしたら、湖になっていないカルデラの中
で最大という意味なのかもしれません。一応念のため、カルデラ湖じゃないカ
ルデラで阿蘇より大きいものはないか検索してみましたが、発見することはで
きませんでした。とりあえず、湖を除けば阿蘇が最大であるものとして話を進
めることにします。

  ここで、今更ですが「そもそもカルデラって何よ?」という疑問に立ち返っ
て調査をしてみることにしました。「困ったときにはそもそも論」社会人を長
くやっていると身に付く技術です。

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[カルデラとは]
  カルデラとは、スペイン語では caldera、ポルトガル語では caldeira と微
妙に綴りが違いますが、いずれも「大鍋、釜」の意味だそうです。余談ですが
 caldela を英訳すると boiler ですが、地形としてのカルデラは英語でもそ
のまま caldera と呼ぶようです。

  で、カルデラの定義ですが、これもサイトによって微妙に記述が異なります。

・火口の直径が大規模な陥没火山を指す。
・火山活動によって出来たくぼみを言う。
・火山学上は直径2km以上にならないとカルデラとは呼ばない。

  共通点をつなぎ合わせると「火山が噴火した後にできたでかいくぼみ」のこ
とをカルデラと呼ぶようです。そして、そのくぼみに水が溜まって出来たのが
カルデラ湖です。余談ばかりで申し訳ありませんが、北海道には先に出てきた
屈斜路湖以外にも支笏湖、洞爺湖、摩周湖、然別湖と数多くのカルデラ湖があ
ります。火山活動が活発な土地だったのでしょう。

  話を蒸し返しますが、但し書き抜きで阿蘇を世界最大のカルデラであると主
張することは、それより広いカルデラ湖がある以上、やはり無理があるのでは
ないかと思われます。ただ「湖じゃないカルデラでは世界最大」という主張を
したくなる気持ちも解らなくもありません。どうして人類はカルデラ湖を除外
したくなるのか?重要なテーマのような気がしてきました。

  全然答えになってませんが「カルデラ湖は湖になっていないカルデラと比較
して、なんだか物足りないような気がする」のではないでしょうか?実際の形
状はともかく、気分として阿蘇やンゴロンゴロは、図1のように地面にはっき
りと環状の山があってその山に囲まれた部分、つまり鍋の底を実感することが
できます。

  ___/\_____/\___    図1:カルデラの杜撰な図解

  一方カルデラ湖は周囲から湖面を見ることしかできません。つまり水を張っ
た鍋を縁から見ることしかできない訳です。

    /\  _______  /\
   ̄     ̄\_____/ ̄     ̄    図2:更に杜撰なカルデラ湖の図解A
                                          (屈斜路湖をイメージ)
           _______
       / ̄\_____/ ̄\       図3:投げやりなカルデラ湖の図解B
     /                      \           (トバ湖をイメージ)


  左門氏には次の結論で納得してもらうことにしてお引き取り願うことにした
いと思います。「鍋底を人間が歩くことができるカルデラで世界最大なのは阿
蘇ですよ。でもそんなことはどうでも良いではないですか、世界一であっても
なくても阿蘇が雄大で美しい事に変わりはありません。行ったことないけど。
だから芥子蓮根で殴るのはやめて下さい」

  ぐだぐだな結論で申し訳ありませんでした。

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[おまけ]
  今回の調査報告は以上です。最後に検索の過程で見つけた扱いに困る記述を
2点ご紹介します。

その1:
トバ湖に関しては、次のような記述も見つかりました。

> トバ湖は、風向明媚なところである。(中略)地形から大型のカルデラ湖の
> 中央火口と考えられていたが、火山ではなくカルデラ湖でないことが証明さ
> れている。

  他に「トバ湖はカルデラ湖ではない」と主張する人を見つけることが出来な
かったので、最初はニッポンバンザイの人なのかなと思いましたが、地質学関
係の本を書いてる大学関係の方のようですし、素人目に見ても文章を書き慣れ
た方って感じがします。でも専門家だからこそトンデモさんだってこともあり
ます、ぶつぶつ。あ、この人「阿蘇火山  世界一のカルデラ」って本も書いて
ますよ。なんか怪しいぞ。多数意見が正しいとは限りませんが、ネットで得ら
れる情報だけから判断する限りは、やっぱりトバ湖はカルデラ湖なんじゃない
でしょうか?とりあえずこの方が、屈斜路湖についてはどう思ってるか興味が
あります。阿蘇より大きいからカルデラではないと思ってるかもしれません。

その2:
  検索で見つけたXX広告に書かれていたプチ電波なフレーズを紹介します。

「阿蘇は世界最大のカルデラ湖」

水没させちゃ駄目だよ。

                                     http://d.hatena.ne.jp/motomachi24
                                                          元町二十四軒
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  発行  元町二十四軒
  編集  元町二十四軒

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