2005.02.23
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MRM [ MOTOMACHI RADIO MAIL ]                                Vol.007
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SUMMARY
- 元町、識者たちに聞く [3] お笑いブームの後に残る人に関する質問
  - をかべまさゆき       :愛象家
  - 元町二十四軒         :質問者本人
  - 猫                   :誤植屋
  - 立花副産物           :休筆業

- 主宰より

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                「停滞も作戦のうち 〜 オムレツ大作戦」
                     http://oshienai.com/gourmet/
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元町、識者たちに聞く [3] お笑いブームの後に残る人に関する質問
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[ Vol.005 の質問 ]
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  Q3  異論がある方も多数いらっしゃるかもしれませんが、昨年は「お笑いブー
ム」と言われた一年でした。芸人さんたちのネタがテレビでこれほど見られた
のは、漫才ブーム以来ではないかと思われます。ただ、ここ数ヶ月の傾向を見
ると、ネタがテレビに消費されつくしてしまったため、芸人のパーソナリティ
を掘り起こすことで番組を持たせようというあまり良くない兆候が現れていま
す(これもまた漫才ブームと同じサイクルです)。この傾向に対して一番の危
機感を持っているのは、当の芸人さんたちでブームが終わった後の生き残り方
法を探す人、見切りを付けて別の道を模索し始めている人も現れ始めているよ
うに見受けられます。少なくとも、漫才ブームの後も救済番組として続いたひょ
うきん族に相当する番組を期待している呑気な人は居なさそうです。

  前置きが長くなりました。今回の質問は簡単です。今年お笑いブームが終わっ
た後で、テレビタレントとして生き残る人は誰でしょう?理由も併せてお書き
ください。いつもの事ですが、まともに答えてもそうでなくてもどちらでもOK
です。「お笑いブームって何?」という方もご遠慮無くどうぞ。識者の皆様の
ご意見をお待ちしております。

[ 専門家や門外漢の方々による回答 ]
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*MRMに掲載された見解は寄稿家の方々個人の意見であり、主宰の見解とは
一致しているとは限りません。場合によっては寄稿家ご本人の意見ですらない
可能性があります。
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▽  をかべまさゆき:愛象家

  鉄拳ですね。

  きっと聖飢魔IIIとゆうのを結成するのではないでしょうか。

  まぢな話、こないだぷっすまを観ていたらゲムーの説明画を描いていたのが
鉄拳でした。ほう。私らの仕事あがったりになりますな<だれ?

                                  http://www.ipc-tokai.or.jp/~woquave/
                                                        をかべまさゆき
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▽  元町二十四軒    :質問者本人

  今回の設問の重要なポイントは「テレビタレントとして生き残る」という点
にあるのではないかと思われます。若い方々は覚えてない、若しくはご存じな
い、場合によっては生まれてないかもしれませんが、かつて漫才ブームという
大きなお笑いのブームがありました。その漫才ブームの残党の中から北野武、
島田紳助、明石家さんまに代表される「テレビタレントとして活躍する人」が
何名か現れました。

  彼らは場のテンションを維持するのが巧かったり、俳優や歌手などの素材を
上手に使って観客を飽きさせない技術を持っていたり、自ら笑いを取りに行っ
たり、とにかく様々な方法で番組を成立させる事ができる便利な存在となりま
した。漫才ブーム以前は、このMC的な役割のかなりの部分を萩本欽一が独占
していたのですが、彼の没落(といっては失礼ですが、もの凄い量の番組を持っ
ていて、それが理不尽な勢いで一気に飽きられてしまった様子をそう呼ばせて
頂くことにします)により生じた空白に何名かの漫才師から転身したテレビタ
レント達がうまく収まったのではないかと思われます。

  島田、明石家は今でもこの地位をがっちりと守り、北野は別の道を選びなが
らも完全に放棄はしないまま、現在に至っています。加えて、ダウンタウンと
爆笑問題が同じポジションに入り込み、これまた強力に守っています。昨年テ
レビで顔を見せ始めた芸人さんたちが、この役割を分けてもらうのはおそらく
無理でしょう。経験や能力の問題もありますが、この既得権としておいしすぎ
る地位を誰もそう簡単には手放さないからです。北野、島田、明石家が漫才ブー
ムの終焉に合わせて、このポジションを得た事の方がレアケースであると考え
た方が良いでしょう。

  となると次に狙うのは「MCを何とかこなしつつ、他の番組では駒として上
手に動く」地位です。現在のポジションではココリコやさまーずが担っている
役割と言えば解りやすいでしょうか。このポジションは需要が多いという点で
は狙い目として悪くないのですが、供給も充分であるという落とし穴がありま
す(その供給元の最大手はジャニーズと吉本でしょう。どちらもMC、駒の両
面で優秀なタレントを持っています)。この地位をものにすることが出来る人
が、若手芸人の中から何人か現れるとは思いますが、運と人間関係とマネージ
メントに左右される事が多く、正直言ってこの地位を得る人を予想するのは難
しいものと思われます。また、予想すること自体あまり意味があるとは思えま
せん。

  ではどの地位を狙えばテレビタレントとして生き残ることができるのでしょ
う。それは「何も出来なくて、苛めても視聴者が怒らないタレント」です。つ
まり山崎邦正や出川哲朗の地位です。このポジションならまだ需要が残ってい
ます。ポイントは2点、面白くないこと、苛めた人が反感を買わないことです。
この2つを押さえておけば何とかなります。しかも、この役割は同じ事を続け
ていても飽きが来ません。なぜ生き残っているのか?という疑問と、苛められ
るのを見ることで得られる爽快感は、簡単には麻痺しないからです。

  近年の若手芸人の中でこの役割を担うことができるのは、ドランクドラゴン
の鈴木拓ではないかと見ています。変にプライドがあるところや、苛められた
ときに変わった動きをするところなんか、この役割に向いていそうです。実は
体力があるらしいところも高ポイントです。惜しむらくは、彼は自分がつまら
ないことを自覚してると表明してしまっているため、山崎、出川のような「ど
うかんがえても間違っているナルシシズム」が見えにくいと言う点が悔やまれ
ます。一見、はなわもこの役割を勤めることが出来そうに見えますが、はなわ
の場合は、リアクションの動きがまずいという点と苛めた後味が陰惨になると
いう点でまったく向いてません。

  次点としてマイケル、カラテカの矢部太郎、歌手の長渕剛を挙げておきます
が、それぞれ低姿勢、苛めたら壊れる、本人がお笑いだと思っていないという
難点があります。

                                     http://d.hatena.ne.jp/motomachi24
                                                          元町二十四軒
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▽  猫:誤植屋

  生き残るのはまさにその「ギター侍」波田陽区と推測されます。

  意外に思われるかもしれませんが、今後、テレビタレント、ひいては芸能プ
ロダクションに求められるのは、ネタの豊富さでもフリートークの妙でも仕切
りの巧さでもありません。海外発信できるコンテンツです。そして、現在それ
に手っ取り早く該当するのが彼なのです。

  ライブドア vs.フジテレビの攻防が話題となりましたが、その真の思惑はど
うあれ、IT企業にとって人気の高い配信コンテンツの確保は確かに重要です。
海外では既に、番組制作にあたって、地上波・衛星による放映に加え、ケーブ
ルテレビ、インターネット配信、DVD、リメイク権等、複数メディアを包括的
に契約する傾向にあります。日本もこれに追随し、海外市場をも意識した番組
作りが重視されていくと思われます。スポーツはもちろん、料理や健康情報、
体当たりチャレンジ、マジックのような、言語や文化に依存せずある程度「見
ればわかる」ものは使いやすいでしょう。「料理の鉄人」や「電撃ネットワー
ク」の人気はご存知のとおりです。旅番組であれば、案内人の映像が一切ない、
カメラによる取材に面白ナレーションをかぶせたタイプが便利です。吹き替え
のコストのみで対応できます。

  この視点から見ると、「お笑い」は意外に使いづらいコンテンツです。言語
の隙を突くようなボケとツッコミ、言葉遣いに依存した微妙なキャラづくり、
関西ローカルな「お約束」展開、いずれも「日本」という狭い市場のみで通用
するものです。スタジオでの軽妙なフリートークに至っては、海外輸出の邪魔
になることはあっても、視聴者の興味に貢献することはありません(余談です
が、先日の某司会者の一件は、社内のこうしたグローバル志向の雰囲気が、1
社員の態度に現れてしまったがために起こった悲劇ではないかと邪推していま
す)。辛うじて通用したかもしれないのは実は「ドリフターズ」のコントでし
たが、いかりや亡き今、あの大がかりな倒壊オチを継ぐ者はいません。

  そこで波田陽区です。

  「サムライ」というベタな名前、「ハラキリ」オチ、吊り目細目の典型的日
本人キャラ、そのくせ甲高くなよなよした声の落差、有名人の名を挙げ、その
最も有名な点にツッコむという小学生にもわかるシンプルさ。これは明らかに、
海外を視野に入れて作られたキャラクターと考えられます。先週末、予想どお
り「ギター侍」の「全米進出」が発表されました。

  http://www.sanspo.com/geino/top/gt200502/gt2005021303.html

  ここまでお読みの方にはもうおわかりでしょう。これはネタではなく、現実
に利潤追求を目指した戦略なのです。有名人を入れ替えるだけで各国に対応で
きますし、彼が語学に堪能でなくとも、簡単なフレーズを丸暗記すれば、明日
にでもどこの国の舞台にでも立てます。映像は彼のままで、吹き替えでネタを
「意訳」することすら可能です。

  彼の名が「波田ニューヨーク」に戻り、その名をカタカナ大好き外国人がこ
ぞって刺青やTシャツに書きこんで「流行に敏感なオレ」を演出する日も近い
でしょう。

                                                                    猫
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▽  立花副産物:休筆業

  このような設問に対して誰もが答えそうな回答を返すというのは勇気が要る
ことですが、ここは敢えて薄氷を踏みましょう。お笑いブームが終わった後に
生き残っているのは友近です。

                           〜〜〜〜〜〜〜〜

  「もう駄目だ。解散しよう」山口の言葉を彼女は思い出していた。「…」中
川は何も言わなかったが解散に賛成しているのは明らかだ。思わず「もう少し
考え直してくれないかなあ。続けることがきっとこれからの三人にとってプラ
スになると思うし」と化粧品売り場の販売員の真似で切り返したのは確かにま
ずかった。それが気まずい雰囲気に追い打ちを掛けてしまったことは明らかだ。
以前と違って、二人とも黙って床を見つめるだけで乗ってこようとはしない。
やがて中川が重い口を開いた。「今、ここで止めておけば伝説になるかもしれ
ない」。彼女はもう何も言う気がしなかった。

  お笑いブームの寿命を二年伸ばしたと言われた、友近・山口智充・中川礼二
の三人組ユニット「TYN」はこうして短い活動期間を終えた。芸の幅が広い
割には、使い道の少ない友近、何でも出来ることが災いして本人に魅力が無い
と言われた山口、休養と復活を繰り返す兄に振り回されていた中川、そんな三
名が器用さを武器に結成したこのユニットは「嫌なドリカム」「器用貧乏見本
市」「単なる話題作り」「人間が描けていない」等々、結成当初こそ、数々の
酷評を浴びたものの、その芸域の広さとチームワークの良さで幅広い人気を獲
得し、お笑い界の頂点に登りつめるまでにそれほど時間はかからなかった。

  ところが、そんな人気絶頂のさなか、お決まりのようにグループの結束に亀
裂が生じ始めた。きっかけは今となっては誰も思い出せない程の些細なことだっ
た。中川の悪人顔を友近がしつこくネタにしたとか、山口の堅いガードを中川
が笑ったとか、友近の体型の変遷を山口が紙芝居にしたとか、とにかく売れる
前ならば笑ってすませていたような事が、地位を手に入れたことによって不愉
快に感じてしまうようになったのだろう。三人の微妙に気まずい雰囲気は客席
にも伝わり、永遠に続くと思われた人気に下降の兆しが見えた。そんな中、山
口が「落ち目になる前に解散しよう」と提案をしたのだった。

  解散を発表して以来、誰もがこの三人に明るい未来は無いと思っていたその
矢先に、思いがけない事件が起きた。森田一義が「旅行がしたい」(この台詞
はその年の流行語大賞に選ばれた)という理由で、笑っていいともの降板を宣
言したのだ。フジテレビは全力で慰留に努めたが、森田の意思は固く降板が撤
回されることはなかった(タモリ倶楽部は継続したが)。せめて後継選びのア
ドバイスをして欲しいというフジ側の依頼に、責任のない気軽さからか森田は
「解散したばっかりだし、元TYNの誰かが良いんじゃない?」と答えた。

  それからは当の森田が後悔する程の大混乱が始まった。ネットでは勝手に誰
が選ばれるかを予想する投票が始まり、みのもんたは「誰が来ても私の敵じゃ
ない」と余裕の発言、週刊誌は「乱れ飛ぶ札束」と勘違いした記事を乱発し、
評論家は得意そうな顔で「これは出来レースだ」と陳腐なコメントを連発した。
元TYNの三人は先行する噂を否定しながらも、千載一遇のチャンスを逃して
なるものかと自己のアピールを忘れていなかった。そうこうしているうちに、
当のフジテレビにもいつの間にかこの三人の中から選ばなければいけないとい
う空気が完全にできあがってしまった。迫り来るXデイ、決まらない後継者、
現場のあせりが最高潮に達する中、新番組のメイン司会者が選ばれたのは、森
田が降板するわずか1週間前のことだった。

  「結局あの解散は正解だったのかな」そんなことを考えながら、彼女は新番
組のテーマ曲の歌詞をもう一度確認した。いいともは無理だけど山田邦子の「
幸せにしてよ」くらいは越えられるだろう、そう思うと気が楽になった。「そ
れも無理だったりして」苦笑いを浮かべながら時計を見る。第一回の放送まで
あと三分だ。森田が差し入れてくれたユンケルを飲み干しステージに向かった。


                                                            立花副産物
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主宰より:質問 (Q4)
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  Q3への回答ありがとうございました。初登場の猫さん、ツボを押さえた寄稿
ありがとうございました。皆勤賞のをかべさん、可能でしたらこのままの調子
で引き続きお願いいたします。やはり初登場の立花さん、他人のような気がし
ません。四万十川さん、まったく期待していませんでした。皆様、何のお返し
も出来ないメールマガジンにも係わらず、ご寄稿いただいたりいただかなかっ
たり、本当にありがとうございました。

  今回の回答から感じたことは「ブーム」というのは例外的な状態であるとい
うことです。だからこそ、どんなに経験を重ねた人でも予測が立てにくいので
しょう。もちろん、全体的な流れやパターンに関しては、ある程度予想が付き
ますが、そのパターンの中で誰がどんな役割を果たすか、次にどんなものが現
れるかという点に関しては、定常的な状態とはかけ離れた例外状況下では、予
測が難しいのではないかと思われます。皆様の予想が何れも否定しきれないの
は(同時に肯定しきれないのも)そのせいでは無いでしょうか。

  ところで話は変わりますが、ていうかQ4の前振りなんですが、先日長野県に
所属していた村が岐阜県の市と合併して所属する県が変わってしまったという
ニュースを見ました。私は県境というもの(あるいは県そのもの)に普段から
縁がないせいか、県というのはもっと領土感覚があるのだと思っていたので、
こんな簡単に県境が変わることに驚いてしまいました。だったら、北海道も竜
飛岬とかもらっちゃえば良いのに。

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  Q4  平成の大合併も特例期間の期限(2006年1月)が迫り、そろそろ大詰め
を迎えようとしていますが、私たちの知らないところで、超仰天合併の計画が
秘密裏に進められているという情報を入手しました。その合併は「竜飛岬の函
館市編入」がママゴトに見えるくらいの規模と突飛さを併せ持つ合併のようで
す。果たしてどのような合併が計画されているのでしょうか?そして、それは
実現するのでしょうか?識者の皆様のご意見をお待ちしております。

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                    「少しだけ、復旧。 GUZZLING」
                        http://gadd9.com/guzz
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  MRM Vol.007は以上で終わりです。最後までお読み頂き、ありがとうござ
いました。Q4へお寄せ頂いた回答は3/3あたりに公開を予定しております。そ
の前に、何度か不定期連載を挟むかもしれません。

  それでは「MRM Vol.008」でお会い致しましょう。

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・MRM [ MOTOMACHI RADIO MAIL ] Vol.007
  発行部数  Web:計測不能 / メール:4通
  発行  元町二十四軒
  編集  元町二十四軒

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