[小さくて街中にある時計台]
昔ならともかく、多くの情報が得られる今となっては、この状況を見て驚いたり文句を付けたりする人は少なく、むしろ「評判通りのがっかり具合を再確認して喜ぶ」というちょっと大人の複雑な楽しみ方をする人が主流となりつつあるように思えます。この地で生まれ育った身としてはちょっと複雑な心境です。
観光に訪れた皆さんが「小さくて街中にある」事にがっかりするということは「もう少し大きくて、郊外にある」と思っていたのではないかと思われます。もしかして、それはこんな写真をご覧になったからではないでしょうか?
[ザ・観光]
これなら、周囲の建物もないし、さっきよりは大きな建物にみえませんか?
せっかく、がっかり名所を訪れたのですから、ただがっかりするだけではなく、この観光地ぽい写真を撮って帰って、地元のお友達に間違った情報をばらまいてみるのはいかがでしょう。
観光写真を撮るためのポイントは3つあります。
周囲の建物が写っていない
立地条件を隠すためにはビルの姿が邪魔になります。ビルの隙間の空を時計台の背景にしましょう。大きく見える
カメラをできるだけ低く置いて見上げる事で、実際の建物よりも大きく見えるように撮りましょう。時計が2面見えている
見栄えの良い写真で、少しでも観光に行ってきた雰囲気を出してみましょう。
この3点をクリアする撮影ポイントはそれほどありません。時計台は角地にあり、他の3つの角や後ろには比較的大きな建物が建っているので(オレンジ色の部分)、それらを背景に撮ることはできません。よって、撮影が可能なエリアは僅かに残された隙間の反対側の方向のみとなります。
加えて、時計台から離れてしまうと、手前に植えられた木が被さってしまい、時計部分が見えません。つまり撮影ポイントはここだけとなります。
中でも、三脚を立てて撮影ができそうな場所となると、この2箇所がベストかと思われます。
また、ここからの眺めは時計が2面見える角度にもなっています。最後の仕上げとしてこのポイントでできるだけ低くカメラを構える事により建物を大きく見せる事ができます。
[低姿勢な三脚]
ズームレンズをお持ちの場合は、建物が入らないように調整が可能ですが、そうじゃない場合は、あとからトリミングすることになります。
例えば、先ほどの写真も広角で撮るとこうなっています。
[正体見たり]
角度を工夫すれば、こんな風に木を利用して、更にがっかり感を消す事もできます。
[森の中の大きな時計台(風)]
(元町二十四軒)